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【CRE-P】CEATEC2017 創造性を高めてくれるロボットとは?

クリエイティブな支援をしてくれる対話型ロボットがあったら良いなぁと考えて、企画からデザインまでを提案したのが去年です。今もこの想いは変わりません。たまたま立ち寄ったブースに居てくれました。Nextremerさんのブースです。僕にとっては想い入れが強いコンセプトの方のモデルです。

既にこの子はマインドフルネス瞑想を支援するロボットとして、各種メディアにも取り上げられています。今日もONE JAPANさんのブースに立ち寄ったら、Cre-pくんがいなくて、フジテレビの生放送番組へ出演してたそうです。BtoBビジネスも今後軌道に乗って来るでしょう。ただし、この機能は創造性を高める為の一つのオプションであってメインにはなり得ないだろうと僕は考えています。

なぜかといえば、マインドフルネスによって創造性を高める事が出来るか?というとまだまだ科学的な根拠も足りないし、創造性と直結しているわけではないと判断しているからです。会議前に瞑想を行い、集中力が増すということまでは言えますが、果たして創造性が高められるかどうか。そこには疑問があります。

今後実証実験などを繰り返して、クリエイティブな領域で働く人達を対象に検証がされていけば、科学的な根拠は出て来るとは思いますが、マインドフルネスだけでは足りないはずで、あくまで、脳や体のコンディションを整えてくれるところまででしょう。創造にはまだまだこの段階では直結はしていないと思います。

むしろ、創造性を高めるというよりも、体や脳のコンディションを高めるといった方が的確かもしれません。一日一日、瞬間瞬間、目の前にある事にリラックスしながら集中して取り組む為に、マインドフルネスがある気がしています。Miliさんのマインドフルネス瞑想と意図が違っていたら申し訳ありませんが…医療機関や、介護施設、教育現場、スポーツなどの方が相性が良い気がしています。

一方クリエイティブな領域では、アイデアを発散する時、収束する時、制約に落とし込む時、カタチを与える時、造形思考モードの時、演出を考える時、プレゼンをする時、全てそれぞれ脳の働きは違っていて、思考のモードが切り替わって行きます。

例えば具体的な方法としては、クリエイティブプロセスにおける脳の働きを、プロのクリエイターが作業をしている時のモニタリングを通して、分析と傾向を洗い出して、各思考モードにおける最適な支援方法とは何なのかを熟慮していくことが必要になります。そうすることで、クリエイティブ脳をより高めるためにどうすれば良いかが分かります。
 
さらに、プロと素人の思考モードを比較することで、クリエイティブシーンでCre-pが活躍する場が開けると考えています。マインドフルネスはあらゆる企業が導入を検討しているようですが、脳を活性化して、目の前の業務に取り組む集中力を向上させることは出来ても、その先にあるクリエイティブマインドを育て、支援するところまではいかないと考えています。
 
というのも、アイデアを出したり、スタイリングを考えたり、企画を考えるということには熟練が必要なわけです。基本的なスケッチ能力、造形考察力、観察力、想像力など、一つ一つのスキルを鍛錬する長い期間があるわけです。デザイナー、クリエイター、造形作家、芸術家、クリエイティブディレクター、プロデューサーでも思考の偏り方と熟練必要なスキルなどは違うはずです。
 
例えば、イラストレーターが1分足らずで、ヒョヒョイのヒョイと描いたイラスト。はい、5万円になります。と言われたら、ある人は高!と言い、ある人は価値があるから買います!と言うでしょう。購入してくれた人は、その一枚の絵に凝縮されたイラストレーターの表現価値に対価を払っているわけです。
 
このようにクリエイターの創造性を伴う作業一つ一つのプロセスを分解して、分析して解析してみて、初めてクリエイティブ脳はどういったものなのかが分かってくる。そしてクリエイティブなマインドを育むためのファシリテーターとしての存在がどういったものなのかが見えてくると考えます。

 

今までクリエイティブな業務をしたことがない人でもプロのクリエイターと同じプロセスを辿る支援をロボットが誘ってくれることでアウトプットの質や量を変えていく。そんな相棒になることを願いながら、Nextremerさんのブースにあったこの子が育ってくれることを密かに祈っています。
そんな話を展示会場に居てくれたエンジニアの方と出来て良かったです。鋭意開発中とのことです。対話型エンジンとオフィス向けがどうなったか気になっていたので、すごく安心しましたし、本当に嬉しかったです。スタイリングもアップデートしたいです!次のモデルでは調整させてくださーい!