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【Knowledge Management】個人が持つ暗黙知を共有する仕組みと活用方法

一企業の一社員として暗黙知を有効活用しきれていないなぁと感じることが多々あり、オープンイノベーションという流行りの言葉とその実践内容を見ても、まだまだ暗黙知は十分に活用されていないと思います。個人が持つ得意なことは誰かに教えてあげてこそ、価値が出るということを、松岡正剛さんが千屋千冊で仰っていました。僕もそうだと思い、スケッチワークショップや、企画発想のワークショップなどを開催したりもしてきました。…が、なかなかこの暗黙知は共有されないまま、個人に埋もれてしまっているのが現状です。

1.暗黙知を掘り起こすのは大変?
自分の持つ得意って何でしょう?意外と振り返ってみるとなかなか思い浮かばないかもしれません。だから一旦は自分の強みを棚卸ししてみる機会を持つのもありだと思います。他の人が知らなくて自分だけが知っている仕事のノウハウや、よく頼まれるようなこと。他の人が苦労してやっているけど、自分は苦もなくスラスラ出来ること。そういったノウハウやスキルの実践方法を掘り起こしてまずはワークログ、ノウハウログとして記録を残していきましょう。
2.暗黙知を共有するための方法
共有する方法はいろいろあると思います。直接誰か困っている人に教えたり、OJTとして教えたり、自主的にワークショップを開催してみたり。メールの場合は埋もれてしまう危険が潜んでいるので、あまりオススメ致しません。いざという時に、暗黙知は取り出せるようにしておく方が良いです。もともと埋もれている知識経験ですから、一旦引き上げた上で、見える化しておくことが大切なことだと思います。
3.暗黙知をどのように記録するのか?
では、暗黙知をどのように記録しておくことがベストなのでしょうか?創意工夫した事や新たに覚えた事、研究したことを備忘録として記録しておく方法と共有活用法について、僕のやり方をまずはご紹介させて頂きます。
4.Evernoteを大辞典にする
共有したい内容を決めてノートブックを作っておきます。●●研究会みたいなネーミングを付けてまずはノートブックという箱を作ります。そしてみんなが同じように困っていたりすることで、知っていたら楽だろうなぁ、楽しいだろうなぁ、役に立つだろうなぁ、刺激を受けるだろうなぁということをメモをしていきます。自分が意識してやっていることをまずは客観的にメモを取っていきます。図や写真なども交えて作っていきます。そしてある程度の分量になってきたら、まとめて整理して、プレゼンを実施します。
5.次世代の暗黙知共有ツールとは?
AR型シミュレーターは必須となるだろうと予測します。熟練工の技を新人でも同じようにやれば体得出来るシミュレーターを提案します。上手く習得が出来ていない部分は反復練習することが可能になっており、上手く出来ている部分はさらに高度なスキルを身につけられるように少しずつステップアップしていく。
例えば、スケッチワークであれば、一つのラインスケッチの描き方は、ラインドローイングとしてウォーミングアップ練習を行う。この時にレオナルドダビンチのリアルタイムトレースが出来たり、はたまたカンディンスキーの素描を見ながらスケッチを描いたり。ハイライトの入れ方は、周辺環境の設定、例えば太陽が沈みそうな夕暮れ時なのか、真昼間の太陽がサンサンと輝く状況なのかで描写の仕方が変わってくる。デザイナーに気づきを与えてくれるような暗黙知の共有方法が確立されれば、誰もがスケッチが上手くなれる。そんな夢のような世界が広がる可能性だってるはず。特殊技能であったスキルを、高度なプロセス分析と、各プロセスにおける傾向から予測変換を行い最適なガイダンスをしてくれる人口知能、継続するためのモチベーション維持のためのゲーミフィケーション的要素など、複合的な絡み合ったナレッジマネジメントシステムが確立される。
同様に新人研修や外国語の学習、塾の学習システムなどでも応用が可能になってくる。このような今まで見落とされがちであった、暗黙知の共有によって、今まで途中の学習でつまづいて前に進めなかった人でも、自然な学習プロセスの誘導と最適な学習ガイダンスとコンテンツによって、最も最短で効果の上がるシステムの利用が可能になるだろう。