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【Community Design】共感型共創プロジェクトで必要な社会還元性=性能性について

これからの共感型社会では、ユーザーも当事者も巻き込んでリアルタイムにライブ感のあるプロジェクト進行が必要になると考えています。全てがオープンになり、進行中のプロジェクトに共感してくれた人達も一緒になって議論できるような場が存在するでしょう。既にクラウドファウンディングによるプロジェクトなどはそれに当たるかと思いますが、もっと初期の企画段階から巻き込み、関わるようなプロジェクトがたくさん出てくると予測します。問題や課題を発見する段階からコミュニティベースで議論やブレスト、アイデア出しなどが出来るような場をプラットフォーム化していくことが大切なのではないかと考えています。

 

■スターハウス
平野友康さんが進めるスターハウスなどはfacebook上でリアルタイムなブレストをそのライブ感を伝えるために情報発信されていたりしますし、物作りの民主化に挑むプラットフォームであるWemakeではコンセプト企画段階から投稿者と共感ユーザーとメーカーが三つ巴になって開発を進めるスタイルを取っています。
■コンペ系
デザインコンペやアイデアコンペなどでは、運営者からお題が出されてその回答を提案するというスタイルが多く、課題や問題発見はそのテーマに即している必要があり、提案までの間にコミュニティベースでのコミュニケーションなどもほとんどありません。運営者都合でのコンペ開催が殆どです。クラウドソーシングにおけるコンペも同様です。ある意味、コンペ案件というのは受身的なシゴトになります。しかしこ20年後には、このようなお題提示型コンペ、個人の実力に依存するようなコンペ形式のものは少なくなり、テーマや課題は当事者が自ら発見し、それを解決するために仲間集めをするというスタイルが主流となってくる気がしています。
 
■クラウドファウンディング
自分のマイプロジェクトを進めたい人にとっては、クラウドファウンディングで企画を出し、資金を調達する方向になるかと思いますが、これも一過性のものとなります。プロジェクトが完了すればそこで終了です。自分が抱える課題に対して企画を考えて実施したい人にとっては満足出来る方法の一つだと思いますが、プロジェクトの継続を考えていく場合は、クラウドファウンディングだけに頼るわけにもいかなくなります。どこかで、サイクルを回すための仕組みなり、組織なり、投資なりを考慮していく必要性が出てくるでしょう。CAMPFIREの家入一真さんは、クラウドファウンディングでの成功から継続フェーズのサービスとして、CAMPFIREレンディングなどのサービスも開始していたりします。手数料も日本最安値の5%としていたり、社員の福利厚生、副業OKなど、働く環境の改革も進めている 方です。
 
ここまでは個人対クライアント、個人対共感出資者という構図ですが、実はこの構図を見直すとさらなるアイディアが産まれて来ます。企画提案者は今までにない価値を世の中に生み出そうと考えがちですが、その価値は誰にとっての問題解決に繋がるのか?そこをもっともっと考えて、突っ込んでいくようなコンセプトの打ち立てが重要になります。
 
なんか面白そ〜!
これ凄い!
可愛い!
楽しい!
売れそう!
ビジネス化したら儲けられそう!
 
という一過性のブームを巻き起こすようなネタを仕込んでローンチするという方法は、常套的な手段であり、ビジネスとして受け入れられやすいですが、果たして本当に今のこの世の中で必要とされているサービスなのかを見直ししてみることも必要なのではないでしょうか?個人の欲望や欲求を刺激するだけのモノと、社会還元性のあるモノでは、そのプロダクト自体に性能性があるかないかを判断する評価基軸が最も現代のサービスに欠けている視点ではないでしょうか。所有欲を満たすためだけのものに成り果てているものがあまりにも多すぎます。
資本主義の中では、どうしても一過性のものになりやすいですが、収益性を担保するには、社会への継続的で持続的な還元が必要だと思います。Corporait Social Resposibilityであったり、Creating Shared Valueであったり、という視点は、その担当者のみではなく、ビジネスの最前線にいる経営者はもちろん、企画者やデザイナーにとっても無くてはならない評価指標だと僕はずっと考えています。
本業でやっていることは一過性であり、見た目を如何に派手にするかというデコレーションです。汎用的に応用活用できるスキルを身につけることだけが今の職場にいる目的となっています。早く次の時代の為の一手を打って動いていけるように、もっともっと自分のアイデアや知見を高めていかなければいけない。と自戒の念を込めて、この記事を書きました。焦っても仕方ないので、少しずつでも自分の考えていることを意識的にシフトしていけるようにこのブログでも情報を発信していきます。
脱線しましたが、一過性のブームではなく、継続性のあるコミュニティを創り出し、似たような問題を抱える当事者による問題発見をプロジェクトベースで共有しつつ、そこに企画マンの発想や、デザイナーの視点でプロトタイプを創り、当事者自らが価値検証を即行えるような仕組み作りが必要ではないかと考えています。
 
極端な話、子供も当事者としてアイデアを考えたりしても良いと思います。子供視点で誰かの問題を発見して解決策をみんなで練ったり、大人も混じって、専門家も混じってプロトタイプを作り価値検証を行うような、そんな社会を創出していくことは僕らミレニアム世代の役割なんだろうと思います。