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【造形思考】スケッッチとモデリングのハイブリッドスタイリング造形思考法

スケッチとモデリングのハイブリッド造形思考法を確立していくために考えた思考の軌跡をアウトプットしてみようと思います。なぜこのハイブリッドスタイリングを考えたのかと言えば、製造業の中でのプロダクトデザインという範囲がかなり限定的になってきているからです。各専門性が高度化する中で、デザイナーが担当する範囲が狭まることで、デザインの自由度が縮小化されることに危機感を抱いたということです。もっとやれるはずだし、スケッチだけの表現では限界を迎えているということを実務を通して実感し、モデリングもできるようにならなければいけない!という想いから、デザイナー兼モデラーとしての道を歩み始めたのが、3年前でした。

 

製造業における分業化により、各セクションが自分の業務範囲のテリトリーを守るために、硬直化が始まり、他のセクションとの距離を測る様になってくることで、必然的にデザイン部門も硬直化が始まります。そうなると、なかなか他のセクションと交わっていくことができません。しかし、モノ作りでは、お互いのセクションが機能し合いながら、オーバーラップして重なり合っていくことで、初めて良いモノ作りが出来ると考えています。お互い隣り合う領域に関しては興味関心を持ってそのプロセスも理解し合いながら、時にはその輪の中にも入っていきながら、縦横無尽に役割を横断的に担っていく必要があるのです。

 

デザイナーが描くスケッチは最初は絵に描いた餅です。理想をイメージに落とし込み、こうあってほしい、こうありたい、というイメージをスケッチに表現していきます。しかしそれだけでは、現実化していくことが出来ません。モノ作りであれば、そのイメージを実際に具現化していく必要があります。そこで必要になってくるスキルがモデリングです。イメージの立体化を行い、パッケージとして製品に落とし込んでいきます。しかし、このモデリングという作業も、空間に配置しただけの餅です。そのまま量産化することも出来ますが、果たして一次モデリングの段階でプロダクトの価値を最大化出来るでしょうか?モデリングデータを確認しながら、デザイナー自身がそのモデルをイジって調整し、整えていくことが肝心です。理想を具現化するための重要ステップといっても良いでしょう。形と機能のバランスを見ながら、最適解を探すために、自分で手を動かしあらゆるアングルで成立性のある形になっているかどうか?を配慮していきます。ここでデザイナーの力が発揮されるわけです。