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【Thinking Diagram】7つの思考モード<要約モード編>

「要するに」...を口癖にする意味=シンボル化


要約というのは、要するにとか、まとめるととか、何かを簡単に一言でわかりやすくいうことです。ダラダラと喋って何を言っているのかわからない、話が長い人、などはこの要約を怠っている、または苦手な人なんだろうと思います。松岡正剛氏が最も詳しく、端的に言葉で表現されていますので、参照します。

 

「要約とは、何かの必要な情報を絞り込みながら、その情報がもっている特徴をできるだけ簡潔に浮き立たせることである。そのために切り捨てる情報と選び取る情報とがはっきりしてこなければならない。図に強い編集だ。」

松岡正剛 知の編集術 p93

 

要約編集モード中は「要するに…」という口癖から導き出される図を描いてみるというところから始める感じですね。アイデア会議で誰かが発言した意見を、要するにこういうことなんだよねと、共有理解ができるような簡潔な図を描くことは、グラフィックファシリテーターや、書記としてのデザイナーに求められるスキルでもあると感じます。シンボルを浮かび上がらせる方法のひとつが要約モード中に発生することだと考えられます。

 

僕のやり方ですが、アイデア会議の場では、アイデアがたくさんある中から目的にあったものを絞り込んで、端的なコンセプトをシンプルな図柄として浮かび上がらせる、というような事をいつも意識しています。本質的な部分はなんなんだろうと常に考えることで、要約編集しているような感じですね。それが先ほども述べたとおり、シンボルになって記号化されていくのだと考えています。

 

 

キーノート・エディティングのモード


今までに出た思いついたことや、情報収集したものを要約モードで、一旦簡潔にまとめて、図に表現しておくことは日課のようになってきました。このブログでまとめている記事がそれにあたります。図があると、特定の概念イメージを共有して議論を本質的に深めていくことが出来るようになると考えています。左脳で言語、右脳でイメージ、この二つの言語とイメージを繋ぐものが図解です。この図解という手法はまた別稿にてまとめたいと思います。

 

松岡さんは、要約編集をキーノート・エデイティングとも言い換えています。なかなか良い言葉です。このキーノートエディティングが出来るようになると視野が広がり、柔軟に説明方法を変えていくことも出来るようになります。特に役員を説得したい時や上司を説得する時、文化が違う人とコミュニケーションを取る時などに、有効な方法です。

 

 

「ある量の情報内容をなんらかの方法でできるかぎり短く集約することを、編集工学では「キーノート・エデイティング」(要約編集)という。いわゆる「まとめ」「概括」という作業だ。」

「要点、要所、主旨、主眼、骨子、眼目をまとめる。」

「掻い摘む」→まずは掻き寄せ、そして要訣を的確に摘んでいく。そして適切に配列する。

松岡正剛 知の編集術 p98

 

 

編集工学では要約編集には以下の6つのモードがあるとも。

 

重点化モード

輪郭化モード 

図解化モード

構造化モード

脚本家モード

報道化モード

p121

 

構造化までは割とすんなり行きそうですが、その後に脚本化して報道するというところまで持っていくことが要約編集の醍醐味ですね。僕が書いているこのブログ記事などは図解化、もしくは構造化までしか出来ていない気がしています。シナリオを考えてその順番で話すという一手間を加えていくと、より分かりやすく、共感もしやすいコンテクストに生まれ変わるのかもしれません。