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【パラレルキャリア論】力学的反作用とフラジャイルなモチベーション

■反作用が原動力

 

副業を解禁する企業が増えてきたと言います。

ONE JAPANの活動などはその一例だと感じています。

境界を越えて行く事がこれから求められてくる時代に突入しています。

一人だけでは解決出来ない問題でも文殊の知恵で解決に導く事が出来るかもしれません。

 

僕自身は今まで本業でやってきた事にずっと後ろめたさがありました。

その反動と家族が路頭に迷うリスクを回避する為に、個人のデザイン活動を続けてきました。

東北震災後に、本業の業界を変えるような提案をしましたが、相手にされず、そこから始まりました。

何かしなければいけないけど出来ないジレンマがあり、

なんとしても、今やっている本業でのスキルを活かしながら、

社会に貢献出来るような何かを産み出したい。その一心でした。

 

やがて、少しずつではありますが、個人の活動が社会的に評価されたり、

誰かの目に留まって、僕個人、Takebon Studioとしての依頼件数が増えてきました。

まだまだ自分の家族を養っていける程のシゴトを産みだすまでには至っていませんが、

長期的に考えれば、少しずつ実績を積み重ねている段階で、信用も信頼も少しずつ貯蓄している状況です。

 

■やれる範囲で120%やる

 

ブログでの情報発信によって獲得できた素晴らしい縁にも恵まれてきました。

こうやって、自分のやりたい事を実現するために、

目の前の些細なシゴトを疎かにせず常に120%の提案を心がけてきたことで、

個人的な成長が実感出来る様になってきました。

継続的にこの活動をしていくことで、いつか本業と副業が反転する日が来ると信じています。

実は、個人でやっている活動こそが本業だという意識で本気で取り組むべきプロジェクトにも参画していきます。

 

こういったやり方は今までのリクルート的なやり方ではない、

自力で信用を獲得していく実践方法の一つのロールモデルになるんじゃないかと勝手ながら考えています。

企業が募集をかけて人材を獲得するのではなく、

常に情報発信をしている個人を企業が発見して、

コンタクトを取ってプロジェクトに参画していくようなやり方です。

正直なところ、僕の現在の状況ではこの方法しかなく、

年齢的にも、地理的にも、経歴にも溝があり、難しい現状もあります。

 

現状を早く打開したいけど毎日が負け犬。そんな風に思っていた頃もあります。

恩師からも早く抜け出しなさいと言われ、転職活動をしていた時もあります。

しかし、なかなか今の自分の状況を好転する事は出来ずに、劣等感に苛まれることもしばしばでした。

基本的にネガティヴ思考からポジティブに移行していく性格なので、仕方ありません。

 

■得意を磨く

 

それでも、なんとか扉は自分でこじ開けていくしかありません。

僕がまず利用したのはココナラというサービスで、ここでは、

自分の得意を誰かに届けるという事ができました。

ただし、価格相場はデザインの仕事として見れば相当低く、微々たるものにしかなり得ません。

正直なところは、桁が違います。

 

それでもこのサービスを使い続けた理由としては、

・誰かの役に立っているという実感が持てる

・広報として使える

・オープンなポートフォリオとして活用出来る

・著名な方との貴重な出会いがある

などが挙げられます。

 

0から1のシゴトを創り出す為に、

まずは地道に自分の得意を実践形式で対個人のお客様へ提供し還元しながら、

自分の価値検証を行えるというメリットがあります。

 

不定期ではありますが、

デザイン活動、自分の考察、マイプロジェクトへの想いなどもブログで情報を発信し続けてきました。

最初はブログ情報のシェアから閲覧頂いている方々が大半でしたが、

最近では検索からお越し頂いている方の方が多くなりつつあります。

どんな記事が人気があるのか分析することも出来ますし、

自分の情報発信の価値検証やマーケティングにもなります。

 

また、興味を持って頂いた記事から問い合わせ頂くことも多くなってきました。

何に注目頂けるかは分かりませんが、

日々感じた事や、今までやって来た実績を少しずつストックしては整理し、

まとめて、情報発信していく事で、

深く共感頂ける方との次なるプロジェクトへのマッチングが行われるという

素晴らしい出会いにも恵まれました。

 

■不完全であるという弱さから自分を高めていく方法

 -松岡正剛「フラジャイル」の考え-

 

まだまだ自分には足りない事も一杯で、自分が犠牲にしてしまっている事も踏まえると、

やり切れない気持ちになる事もあります。松岡正剛氏の「フラジャイル」に助けられています。

自分が持っている弱さこそが実は強さにも繋がっている事。

小さな声を聞く力こそがその人の器量の大きさにも繋がっていく事。

二項対立では図れないその中庸や、境界に佇むことで見えてくる事。

障害と健常者を分ける意味なんてない事。

弱い存在だと健常者が決め付けているに過ぎない事。

赤ちゃんの弱さは、強さの裏返しであるし、親を強くしてくれる事。

そんな色々な弱さを認めながら、それと向き合い、生きていくことが、今の自分を高めてくれています。

 

創造という言葉の中にはキズ=創という意味合いがあること。

傷つく事を恐れずに、それを受け入れながら前に進んでいく人が創造主となることも、

松岡正剛氏から教えて頂いた事でもあります。

フラジリティこそ、今の時代に必要だと僕は感じています。

聞こえない声に耳を傾けられる感受性がアートやデザインにも繋がっていくと信じて

毎日を鍛錬していこうと考えています。

人間は元々不完全でした。

完璧なんて存在しない。

だからこそ、支え合える存在だということです。