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【Thinking Diagram】7つの思考モード<連想モード編>

前回ブログ「7つの思考モードを意識するとみえてくること」にて思考の滞在モードについてまとめました。今回は連想モードについて、まとめておきたいと思います。妄想したイメージからさらに連想によって、イメージを拡大させていきます。

 

 

2-1.脳内をハイパーリンクせよ!


アイデアだしをしている時に良いアイディアが閃く瞬間ってどんな時でしょうか?僕は、閃きやすいのは、脳内がハイパーリンクで繋がっているモードの時だと思います。一つの言葉を見たり、聞いたりすると、五個、六個のイメージが出てくるみたいな状態です。具体的に経験した事、見聞きした事、産み出したアイディアなど、芋づる式に出てくるような時は頭の中がリンキングしている状態。こういう時は何かのふとしたきっかけで閃きやすい状態になっています。上図でいうところの右側の状態ですね。脳内のイメージネットワークが張り巡らされている状態です。

 

セレンディピティーとよく言われますが、ある時偶然に必要なテーマの回答を発見したり、気づいたりするようなことです。全く関係がなさそうな事柄と、課題や問題となっているテーマが結びついたら、それは誰も思いついていないアイディアの可能性が高いです。このハイパーリンクの達人は松岡正剛さんです。松岡さんは編集工学を提唱し、70歳を過ぎた今でも、現役ハイパーリンク中で、千夜千冊はまさにこのハイパーリンク状態でしか書けない書評です。ではこのハイパーリンク状態にはどうすればなれるのでしょうか?意図的にこの状態を作り出すことが出来たらユニークなアイデアを生み出せる確率も上がるのでないでしょうか。

 

 

2-2.アイディアをたくさん発散する


僕は、隙間時間を見つけては思いついたアイデアの種をノートに書き溜めています。アイデアは最初に思いついたものが良いとか、数より質と言われたりしますが、僕の場合はまずは思いつきの数が必要だろうと考えています。30案の思いつきを考えると脳がサーチ状態となります。何か見つけた時に、「あ!あよアイデアとこれ結びつけられそう!」とか、「あのアイデアはこのモチーフにするともっと良くなりそう!」とか、アイディアのネタをたくさんアウトプットしておくと意識のカーソルが、意識してなくても勝手にテーマに向かうわけです。この自動的に脳がそのテーマを拾ってくるような状態になっている場合は、脳内がハイパーリンクした状態でしょう。

 

アイディアをたくさん出せば出すほど、テーマと遠いと思われる事象からでも、テーマとの関連性を引き出せるようになります。この状態まで持ってくる訓練を大学の実習ではたくさん経験しました。8×8=64枚葉っぱを描け!とか64案アイディアを出しなさい!と教授陣から言われて、ひたすら熱が出そうなほど考えて絞り出す訓練を、「デザイナー教育」として受けてきました。こういう厳しい訓練を受けて、実務でもその方法を実践しています。バラバラの複数ある要素をシステム思考で統合化に導く、デザインディレクション能力をさらに磨いて行きたいと考えています。

 

 

2-3.ポストイットによるマッピングは絵や図で描く癖をつけよう


川喜多次郎氏がKJ法を提唱してから、デザイン思考ではKJ法が流行り、トニーブザン氏のポストイットによるマインドマップが流行っています。確かに便利な思考法です。しかし、ヒラメキクリエイターとしては何かが足りません。見えなかったイメージを見える化して、壁に貼り出してグルーピングするところまでは良いと思いますが、これではハイパーリンクは起こせないはずです。似たもの同士を結びつけただけだは、リンクされていない、近くに寄っただけです。これは少し厳しい言い方になりますが、アイディアを考える初心者がやることであって、プロの僕らが真似して実践したところで、革新的なアイディアというものは全く生み出せないでしょう。

 

たとえば、企画やデザインがやっているアイディア出しから統合までを疑似体験してもらうために、他部署の人や初心者に向けてやるなら意味があると思います。言葉の羅列したポストイットではイメージはリンクしていかないので、ポンチ絵=簡単なビジュアルにしたりすると少しは硬さが緩和され、イメージリンクしやすい状態となります。言葉より絵から受ける連想力を重視しましょう。連想モードでは右脳でイメージを配置し、左脳で論理を整理をしていく。右脳を使うなら言葉よりスケッチが良いでしょう。左脳であれば、図を描く癖をつけておくと、論理的な人とコミュニケーション、合意が取りやすくなるでしょう。僕の場合は、頭が連想モードになっている時には漫画で描いてしまいます。

 

 

2-4.アンテナを張って原石を探そう


なかなか決定打となるアイデアが出てこないと、不安になることがかもしれません。時間だけが過ぎていき、なかなか新規のネタが出てこないこともよくある事です。そんな時のために、パラレルでいろいろなプロジェクトやテーマに関わっておくことをお勧めします。他のプロジェクトで参考にしたボツネタが実は目の前のプロジェクトで活かせる!なんてこともよくあります。常にアンテナを張って、たわいもないことや素案なんかにもよく目を凝らして、ダイヤモンドの原石になるかもしれない!という意識でいろいろなものを見てみると良いかもしれません。

 

僕はそうやってコツコツネタを集めは整理をしてストックをしています。これが後々生きてくるのです。たとえば、技術を売り込みに来た業者さんに、大半の人が「フ〜ン」と退席していくところを、興味津々の眼を輝かせて、原石を探り出すという習慣付けが出来ればしめたものです。誰も気づかない、興味が無いような、日の目を見ない技術の中にこそ、意外と掘り出し物があったりするものです。これは鍵と鍵穴を幾つ持っているかで、企画マンとしての腕の見せ所になるはずです。鍵穴は多いにこしたことはありません。

 

 

まとめ


・アイデアは質より量。量を出すことで脳内ネットワークを張り巡らせよう。

・ポストイットには言葉ではなくて、ポンチ絵を描こう

・ひょんなことからグッドアイデアが出るかもしれないので、

 アンテナは張り巡らせる=鍵穴をたくさん持っておく。

・鍵穴は錆びないように、常にメンテナンスして、見える位置に整理しておこう