· 

【Life Design】環境を変えるという決断

来月から心機一転、新しい環境に身を置くことにしました。今までの古巣を飛び出し、全く未知の業界を経験することになります。インハウスとして12年間を過ごした居心地の良い場所を捨てて、次なるネクストステージに進出します。この判断が正しいかどうかはまだ分かりませんが、自分自身の自己成長には必ず繋がる決断であると確信しています。

 

なぜ、今なのか。それは必然でもありました。業界が厳しいから?見切ったのでは?とかいう意見もありますが、そうではありません。元々今いる業界からは、抜け出して行くことを覚悟をしていましたし、そうでなければいけないとも考えていました。恩師からの助言を無視するわけにはいきません。デザイナーとして最も尊敬する方から認めてもらえない状況を克服したいという思いは常に持っていました。葛藤です。

 

それはデザイナーという職能への責任でもあります。「欲望の刺激装置」であるプロダクトを一生産み続けていくのか?それは否です。デザイナーとしてやるべき使命と、やりたいビジョンを、今年初めに明確にしました。そのビジョンと使命との乖離と葛藤に苦しんだ12年間でもありました。すべきことが出来ない自分への苛立ち、歯がゆさは常にありました。

 

次の環境では、僕の使命とビジョンを全うできるかどうか?それはやってみなければ分からないし、自分自身がどこまで出来るのかも未知数です。不安もありますが、期待とワクワクも同居しています。どうなるかは、これからの思考×経験の積み重ね次第だと考えています。たかがデザイナーですが、されどデザイナー。絵描きだからこそ出来る事は、イマジネーションのビジュアライズです。このたった一つの武器以外には何も残らない自分ですが、徹底的に磨き上げて勝負していこうと考えています。

 

起業すればいいじゃないか?という意見もあるかと思います。どうしてインハウスをしながら、パラレルワークをしているのか?起業にもメリットデメリットがあり、やはり僕の場合は家族を第一に守りたいし、家族との時間を一番大切にしたいという想いがあります。独立すれば、家族を犠牲にして働かなければいけないことも数多く発生してくるでしょう。それは僕の求めている時間の使い方ではありません。

 

家族との時間を核にして、その上で働くがある。働く時間はなるべく一人称(わたし)と二人称(あなた)のデザインに費やしたいという思いがありました。今まではあまりにも乖離し過ぎた対象分野でした。自分の一生の時間を、分断されたままの時間を見過ごして生きていくのか、分断を融和に変えていくのか。その分岐点に立ち、境界に立ち、そこから見える景色を描きなおしてみました。

 

TakebonStudioとしても、より自分の考え方に沿った活動に落とし込み、対象とする分野も絞り込んだ内容としていきたいと考えています。なんでも受けるというスタイルは捨てます。その代わり、共感するビジョンを持った方々との共創活動にはより力を入れてやっていきたいとも考えています。