· 

2019年の振り返り

今年も最後の日となりました。自分にとって転機だった2018年から、2019年は濃密であっという間の一年となりました。信頼関係を築き上げていくための土壌創りを地道にコツコツしてきた年でもあり、楽しい事よりも辛い事の方が多かった気がします。今までに苦手分野でもあった新たなスキルを磨いて、仲間と共に有志でゼロイチプロジェクトを進められたことが最も大きな一歩であり、自信にも繋がりました。


そして子供達の成長を毎日見ながら、クリエイティブ・モチベーションについて考えた一年でもありました。デザイナーとして自分の範囲が広がりを見せつつもやれることは縮小していくというジレンマに陥りながらも、最終的には年末にヒラメキクリエイターとして息を吹き返す感じでした。この再生には、周りのサポートや理解、支援、共感などが大きく、自分の存在意義を改めて見直すきっかけにもなりました。

 

【1】ぬいぐるみからサングラスまで 多ジャンルデザイン

今年一年の仕事を総覧で眺めると、かなり様々なデザインジャンルに携わりました。
・ぬいぐるみのデザイン、サングラスのデザイン、高齢者向け電子雑貨、大ヒット商品のリニューアル
・骨盤サポートクッション、楽器初心者向けのシリコン製品、座椅子、マッサージ機器、電子枕、深層筋を鍛えるエクササイズ雑貨

などなど。


同時に30案件以上担当し、デザイナーとして動かしていかなければいけない状況でした。前職では担当案件は2~3案件程度だったので、案件をこなすための思考回路が全く違います。幅は広いけど、浅いところまでしか関われませんが、理想となるイメージ創りをガシガシ提案していく感じです。CADでモデリングをしていると時間が無い為、イメージ作りはほぼCG。Modoフル活用。

 

前半苦労しましたが、後半は加速がついてきました。あらゆるジャンルに関われる事は、脳の刺激にとっても良いことで、飽きることがないので、日々刺激に満ち溢れています。その代わり、1日にやれることも限られてくる為、パンク寸前になりながら四苦八苦していた感じです。来年はなるべく心に余裕を持ちながら、週間・月間単位でスケジューリングをしつつ、空いた時間を見つけて自分のやりたいことに時間を費やしていけたらと考えています。

 

自分がやりたいこと=WANTなのか、課せられている仕事=MUSTなのか。ほぼほぼ9割MUST案件の中、如何にWANT案件を増やしていけるかが、来年の鍵となるでしょう。その為には、毎日アイデアを考えては提案し、共感しれくれる仲間を増やしつつ、自分主導でプロジェクトを動かしていける企画提案型デザイナーへのシフトが戦略的には重要になってくると考えています。

 

【2】クリラボを発足しワークショップを5回開催

社内でクリエイティブ思考研究会=クリラボ(愛称)を発足し、隔月1回社外の企画者やクリエイターをお招きしてワークショップを開催しました。元々僕自身がコンペ案件などに参加することが好きで、そこから繋がった人脈からワークショップを構築。役員のSさんから、今後クリエイティブの力が必要になるけど、その方法論・発想法の伝授を!という要望を聞いて、じゃあやってみる!ということで始めたのがきっかけです。


第1回 Takebon 「発想考楽」
第2回 岡本光彰さん 「多層人格によるバイアスハズシ」

第3回 芝哲也さん「2極ブレインストーミング」

第4回 大橋弘宜さん 「違和感発想法」

第5回 なるかわしんごさん 「感性アートワークショップ」


上記5回を開催させて頂きました。どの回も講師が非常にユニークな方々でしたので、僕自身凄く刺激を受けて、一番学んだのは僕なんじゃない?というぐらいに充実したワークショップが出来たと自負しています。


ですが、結果的に社内にそれぞれの発想法を実用出来るレベルにまで浸透させることが出来ず、僕自身の力不足を感じ、毎日時間に追われる仕事をこなしていると、これ以上サポートする事が出来ないと判断し、クリラボワークショップは5回で終了という運びとなってしまいました。非常に残念でもありますが新たな繋がりも出来たので、これは僕にとっては大きな収穫となった体験と経験になりました。ご協力頂きました講師の方々と、クリラボメンバーには感謝しかありません。

 

 

【3】想いは伝染する weamake PJ仲間との出会い

wemakeのプロジェクトに企画者やデザイナーとしてたくさん参加させて頂きました。中でも積水科学さんとのインソールプロジェクトでは投稿者の井口さんの想いをビジュアル化して、共感へと繋いでいけたことが、デザイン支援者としての自信に繋がりました。


想いをカタチにする」ことが僕の仕事です。目に見えていない概念やイメージ、想いを見える化してカタチにしていくことを通して、人から人へ想いを伝搬していくこと。これが僕の存在目的です。具現化までは達成出来ませんでしたが、井口さんとはこのプロジェクトの後も、何か面白い事を始める為のディスカッションを一緒にやる仲です。


また、幼稚園に設置するロボットプロジェクトでは、元P社デザイナーの和磨さんに出会い、デザイナーとしての姿勢にいつも学びを頂いています。真っすぐな方で、60を超えても子供心を忘れず、常にチャレンジしていく姿勢には共感しかありません。

 

【4】共感してくれる仲間【Creative Kids PJ】発足

そしてwemakeで繋がった仲間と共に、Creative Kidsプロジェクトを立ち上げました。子供向けのサービスや商品を考えるプロジェクトです。僕自身は子供達から日々創造のエネルギーを貰っていて、その恩返しをしたい!と素直に思ったことがきっかけで始めたPJです。面白い!と乗ってきてくれた志の高い仲間とのディスカッションはいつも学びに満ち溢れていました。ビジネス関係では成り立たない信頼関係ベースの集まりです。


途中仕事時間に拘束されて進まない状況もあったりしましたが、年末になんとか社内プレゼンを実施し、社長からは好感触を得ることが出来ましたし、社内向けのコミュニティも発足し、これから当事者の声を聴きながらより具体的なサービスをデザインしていくフェーズに移っていきます。子供の未来を明るく照らし出すことをビジョンに掲げて、子供のあるがままの発想力や創造力の価値を実証していく社会実験でもあります。

 

 

【5】Coconala実績100件突破 信頼残高の貯蓄

パラレルキャリアとして2016年頃から続けているCoconalaのサービス購入実績が100件を突破しました。コツコツ継続すると、その積み重ねによって、信頼実績が出来上がってくることを実感しています。特にキャラクターデザイン系のサービスが人気でリピーターの方も多く、ご愛用頂けていることに感謝しかありません。これからの時代を生き抜いていくには、如何に自分の信頼残高を貯蓄していけるかがカギだと考えているので、CoconalaのようなC to Cサービスで着実に経験を積むことは、遠回りしているようにみえて一番の近道を走っているのだと信じています。そして、このバトンを僕から、次世代に繋いでいく段階でもあると自覚しています。

 

 

このように振り返ってみると、結構濃い一年だったと感じますが、あっという間に過ぎてしまいました。だから僕自身の役割や存在意義から逆算してやれることを棚卸して来年に繋げていきたいと考えています。